Exif IFD

Exif固有の付属情報を記載するためのタグの集合で、Exifプライベートタグの値で示されるTIFFヘッダからのオフセットでポイントされる。

同じ例で見てみよう。TIFFヘッダは$000Cから始まり、Exif IFDタグ (0x8769)が$008Eで見つかる。続くデータ形式は0x0004でunsigned long、データ数(4 bytes)は1、Exif SubIFDは$000C+0x00000148=$0154から始まる。$0154からの2バイトは親IFD同様にエントリ数を表わし、ここでは0x001F=31の付属情報がある。続く0x829AはExposureTime（露出時間）、データ形式は0x0005でunsigned rational、データ個数は1、データは8バイト必要なので続く4バイトはポインタである。$000C+0x02C2=$02CEには0x0000000A, 0x00001900が格納されており、分子(4 bytes)が10、分母が6400、つまり全体で1/640秒となる。続く0x829DはFNumber（F値）、データ形式は0x0005でunsigned rational、データ個数は1、$000C+0x02CA=$02D6に0x0000003F, 0x0000000Aが分数として記録され、値は63/10=6.3である。

以下、こうして各付属情報について読み取っていく。

GPS IFD

GPS情報を記載するためのタグの集合で、GPSプライベートタグの値で示されるTIFFヘッダからのオフセットでポイントされる。

付属情報の辿り方は先のExif IFDと同様で、GPS IFDタグ (0x8825)を見つければよい。前ページのExif IFDの例で使用した図で$009Aから始まるタグがGPS IFDタグである。データ形式は0x0004でunsigned long、データ数(4 bytes)は1、GPS SubIFDは$000C+0x0000034A=$0356から始まる（下図）。$0356からの2バイトは親IFD同様にエントリ数を表わし、ここでは0x0004=4の付属情報がある。続く0x0001がGPSLatitudeRefタグであることを表わし、次の0x0002がデータ形式がASCII Stringsで、続く0x00000002がデータ個数が2で、その次の2 bytes (0x4E 00 (‘N’, 0))がデータである。残りの0x00 00 (0, 0)は残り2 bytesを埋めるダミーである。つまり、この次のタグで表わされる“緯度”は「北緯(‘N’)」で表現していることを示す。続く0x0002はGPSLatitudeタグで、データ形式は0x0005でunsigned rational、データ個数は3、つまり4バイトを超えるので次のデータはポインタである。$000C+0x00000380=$038Cからのデータを読むと、0x00000023=35、0x00000001=1により35/1、0x00000025=37、0x00000001=1により37/1、0x00006852=26706、0x000003E8=1000により26.706となり、結局、緯度は北緯35°37’ 26.706” である。続く0x0003はGPSLongitudeRefタグで、データ形式は0x0002 (ASCII Strings)、データ個数が2、その次の2 bytes (0x45 00 (‘E’, 0))がデータである。残りの0x00 00 (0, 0) は残り2 bytesを埋めるダミーである。これは次の経度が「東経(‘E’)」で表現していることを示す。続く0x0004はGPSLongitudeタグで、データ形式は0x0005でunsigned rational、データ個数は3、次のオフセットだけ先のアドレス$000C+0x00000398=$03A4にデータがある。0x0000008B=139、0x00000001=1により139/1、0x0000002E=46、0x00000001=1により37/1、0x00001DF1=7665、0x000003E8=1000により7.665となり、結局、経度は東経139°46’ 7.665” である。

各ディレクトリ・エントリのタグ番号について示す。